激戦と言われる福岡のウェディングビジネス。
11年前、いち早くそのステージに先鞭をつけたのが、
ポジティブドリームパーソンズの杉元崇将氏だった。
時は流れ、市場は満ちた今、彼が夢見る次の景色とは。
福岡で勝てれば
全国でも勝てる
僕の祖父母たちが酒蔵や民宿をやっていた影響もあって、早い時期から社会に出たかったんです。
ターニングポイントは、バイト先のバーで、28歳で起業した方と出会ったことです。
世の中を変えたいっていうポジティブな感じに憧れて、「自分も将来、事業がしたい」とまわりに言うようになりました。
社会人1年目のときに初めて東京で先輩の結婚式に出たとき、チャペルも披露パーティも初体験で、すごく感動したんです。
ノウハウが知りたくなって、1か月半、土日に配膳のバイトをしました。
ビジネスアイデアのひとつとして、ポストイット貼っておこうと思いましたね。
28歳の時、これも縁ですけど、「Plan・Do・See」という会社の野田社長と知り合って。
その時始めようとされていたのが、オリジナルウェディングをサポートするビジネスだったんですね。
野田さんにお願いして、スタートアップメンバーに加えて頂き、事業を立ち上げる経験をすることができました。
1997年に今の会社を設立して、福岡では、2003年に大名でゲストハウスウェディングの「THE VILLAS」を開業しました。
福岡の魅力は、アジアのゲートウェイであること。そして、人口が増えていること。これは相当重要です。
しかも福岡は若い人が増えてます。2030年に1億を切る日本で、こんな場所はないですからね。
僕らのターゲットはほとんど30代ですから、福岡はすごくやりがいのあるステージです。
もちろん、日本でベスト3に入るぐらいの激戦区で、お客さんの目も肥えています。
でも、福岡で勝てれば、全国でも勝てるんです。
6年前位まで、売上げの95%はウェディングでしたが、競争はもっと激しくなると思いますので、
ウェディングは伸ばしつつ、イベントビジネスやレストランビジネスなどに投資をしていってます。
アクア博多での出店以降は、我々の言葉で言えば「スクエア化」という戦略です。
「THE VILLAS」などにレストランを付随して、福岡市150万の人たちとの接点をもっと増やしていこうということですね。
結婚式って、「来年もお願いします」って言えないわけですよね(笑)。
フローからストック型のビジネスに変えていく必要があるということです。
山の上ホテルも、結婚式やイベントができる宴会場とレストランのセットで運営委託を受けて、この半年間で2・5倍の売上げになってきています。
我々の運営力を駆使したり、もっとスキルが高い人材を投入したりして、力を入れていきたいですね。
福岡は将来の経営人材を
育てる場としても最適
勝っていくためには、初歩的ですが、社員が企業理念にどれだけ共感できるか、その理念で福岡で何を実現したいのか、常に話し合うことが重要だと思っています。
いわゆる「支店」みたいな感覚では、福岡というマーケットは勝ち抜けない。
みなさんに尊敬されながら、どれだけエッジが効いたことができるかですね。
それと、我々のビジネスの肝は「人財(企業の財)」だと思ってます。
資本の勝負にのらないようにするためにも、優れた経営人材が必要です。
福岡市でも、スタートアップ、起業の文化をつくると言われていますね。
僕らもスタートアップカフェみたいな活動を通じて、起業する若い人を支援していきたいです。
自社の社員が外部の人たちと触れ合って、人材の多様性を高めていくこともすごく重要な戦略です。
福岡は経済も伸びていて、行政も人材の育成に本気ですよね。将来の経営人材を育てる場として、福岡は最適なところです。
今の時代、起業家マインドを持つことがすごく必要ですし、そのためには考え方がポジティブであることが重要ですよね。
それと、ドリーム。ビッグドリームでも、スモールゴールでもOKです。
前向きな気持ちで夢を持っていれば、何かが始まると思います。
「ポジティブドリームパーソンズ」の「ズ」に意図があるんですが、一人では限界があるから、チームや集合体にしていく。これさえあれば、福岡とか日本の何かを変えられるんじゃないかなと思っています。
福岡の方々は、ポジティブでドリームな気質だし、国内外の人たちが羨むような経済成長を果たしているし、アジアに近い立地も含めて、ポジティブな要素がすごく多い。
それをうまく利用して、もっとアクセルを踏んでいいと思うし、もっと前向きに、大きな夢を描いていくことができれば、さらに伸びていけると思いますね。